自己免疫疾患の説明を関節リウマチを例に考える

人と同様に犬と猫でも自己免疫疾患は、時々遭遇する疾患です。この「自己免疫疾患」という病気を説明する時に、どうやれば分かりやすく伝えられるかということにいつも苦慮します。

自己免疫疾患について、人の関節リウマチを例に考えていきたいと思います。ちなみに、犬にも関節リウマチがあります。

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関節リウマチとは

関節リウマチとは、おもに関節の内側にある滑膜に腫れや痛み、こわばりなどの炎症を起こし、それが続くと関節の変形をきたす病気です[1]。原因はまだ完全には分かっていませんが、遺伝による体質にウイルスなどの刺激が加わって、免疫に異常が生じて起こる自己免疫疾患の一つと考えられています[1]。

関節リウマチ患者は、女性が男性の3~4倍多いとされており、特に30~50代での発症が多いとされています[1]。

関節リウマチの発病には遺伝が関係することが分かっていますが、家族に関節リウマチの方がいるからといって、必ずしも発病するわけではないとされており[1]、多因性の遺伝子疾患と考えられています。

前述の通り関節リウマチは、免疫の異常によって関節に炎症が起こる病気です。関節リウマチは、ウイルス感染などをきっかけにリンパ球が自分自身の組織を異物とみなして攻撃してしまい、関節の滑膜に炎症が起き、次いで滑膜が異常に増殖します。増殖した滑膜や免疫に関係する細胞が炎症性サイトカインなどを放出すると関節全体に炎症が広がり、軟骨や骨が破壊されて、関節が変形し、その機能を失ってしまいます。

これが、関節リウマチの概要です。なお、近年治療に有効な新薬が開発されており、早期であれば治療成績が良くなって来ているそうです[1]。

自己免疫疾患とは

免疫とは、体外から侵入してきた細菌やウイルスなどの異物を排除するための仕組みで、私たちの体を守るためのとても大切な機能です。しかし、この免疫の仕組みが乱れると、体外から侵入した異物に過剰に反応してしまうアレルギーや、自分自身の体の組織や成分を異物とみなして攻撃してしまう自己免疫疾患が起こります。

このように自己免疫疾患とは免疫の仕組みが乱れた結果、異物を認識し排除するための役割を持つ免疫系が、自分自身の正常な細胞や組織に対してまで過剰に反応し攻撃を加えてしまうことです。

また自己免疫疾患は、全身に影響する「全身性自己免疫疾患」と特定の臓器だけが影響を受ける「臓器特異的疾患」に大別され、「全身性自己免疫疾患」の代表が関節リウマチや全身性エリテマトーデス(SLE)です[2]。

自己免疫疾患の原因として、炎症性腸疾患を除き多くの自己免疫疾患は女性に多いことから、ホルモンが関与しているという説、妊娠中の胎児の微量細胞が胎盤を通して母体に影響するという説、さらに9割以上の人間が感染しているヘルペスウイルスの一種、エプスタイン・バール・ウイルス(EBウイルス)による自己免疫疾患発症のメカニズム仮説などが提唱されています。

特にEBウイルスの関与は、様々な研究により裏付けられているそうです[2]。

自己免疫疾患をどのように例えるか

数ある自己免疫疾患も結局は、「自分自身の正常な細胞や組織に対してまで過剰に反応し攻撃を加えてしまう」結果生じるものです。例えば関節リウマチであれば、攻撃しなくていいはずの自分の関節を免疫細胞が攻撃してしまいます。最初は滑膜がターゲットですが、次第に周囲の軟骨や骨を巻き込んで行きます。

免疫細胞を日本人に、そして炎症をニュースに対する我々日本人の反応と例えて見たいと思います。

「飲酒運転による死亡事故」や「税金の無駄使い」などのニュースに対して我々が怒るのは、体内に細菌やウイルスが侵入してきた際の正常な免疫反応と考える事ができます。

そうすると自己免疫疾患は、どうなるかというと以下のようになります。

通常、ニュースは真実を伝えなければならないので、真偽の裏を取ってから掲載する必要があります。しかし時に何らかの理由によって、そのチェックが働かない事があります。そうして世に出てしまうニュースが、「フェイクニュース」です。

そして、そのフェイクニュースを真実だと信じて我々は怒ります。しかし当然その事実はないので、本来であれば全く怒る必要の無い事であり、その怒りによって場合によっては、精神的苦痛を受ける人が存在したり、売り上げが落ちたり閉店するなどの経済的被害が出たりと取り返しのつかないことになります。

タチの悪いことに、怒ってる人たちは当然の事または正しい事をしていると信じているのです。

つまり、自己免疫疾患は、「フェイクニュースで大炎上」と例えると分かりやすいのではないかと思いました。

関節リューマチでは、そもそも攻撃しなくていい滑膜を免疫細胞が攻撃し始めて、「フェイクニュース」から「プチ炎上」、その後免疫細胞の攻撃が続くことで軟骨や骨を攻撃してしまいついには関節の変形が起きてしまい、「大炎上」となります。

ちなみにアレルギー反応は、「芸能人の不倫」に怒る日本人となるのではないかと思っています。個人的には、別に誰と誰が付き合おうが別れようが、他人には関係ないと思ってるので、過剰な反応と捉えています。

参考文献

[1]関節リウマチ: アステラス製薬HP https://www.astellas.com/jp/health/healthcare/ra/basicinformation01.html(2018/1/3確認)

[2]自己免疫疾患 : Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E5%B7%B1%E5%85%8D%E7%96%AB%E7%96%BE%E6%82%A3(2018/1/3確認)

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